鳥①

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籠の中の鳥は自由を夢見る。    毎日決まった食事をし、毎日決まった場所で寝る。  そして、飼い主のご機嫌を伺いながら歌う日々。  安息という名の不自由。   窓の外に見える、庭へ降りてくる一羽の鳥。  雄大なその翼は自分の意思で何処へでも飛べ、その大きなくちばしは好きな物を食べられる。  籠の中の鳥は自由を夢見る。    自由を夢見る鳥は、今日も歌いながら、再び外の鳥を見た。  その姿はボロボロで、今日飼い主が残した残飯のゴミを食い漁っている。  そこに夢見た自由と雄大さは無く、ただただ呆然とした。  歌うのを止めた鳥に、飼い主がヒステリックに叫びながら籠を揺らす。  再び歌い始めると飼い主は笑顔になり、食事をくれた。    自由を夢見た籠の中の鳥は、与えられた食事を取り、いつもの様にまた歌う。  窓の外にはもう鳥は居なかった。 
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