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「相変わらずでっかい図書館だねぇ」
図書館までまだ何メートルもあるのに、はっきりと姿が確認できる。
『そりゃまあ市立図書館だしな』
明に呆れた顔で言われてしまった。
「明は彼氏作んないの?」
『んー、いつか出来るでしょ。今はいらない』
すんなりと、言い切られてしまった。
男らしい明は女子にも人気がある。
「ええぇー。せっかく美形なのに、勿体ない…。早くお母さんを安心させてちょうだいね」
『誰だよ。しかも美形っつったら美阪もじゃん』
明の言う通り、美阪はなかなかの美人。
中学生の頃は何回もストーカー被害に遭っていた。
竹刀で返り討ちにしていたのだが。
話し込んでいるうちに、いつの間にか図書館の玄関まで来ていた。
『なんか悪いな、付き合わせて』
「ううん、気にしないで!どうせ暇だし」
館内の奥へと、足を運ぶ。
――パタン――
小さな音が、美阪の後ろから聞こえた。
「………?」
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