序章

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『土方さん…』 『どうしたんだ、総司』 満月の夜。 ある部屋に一人の男が訪ねて来た。 『ここのところ変なんです…』 土方と呼ばれる男は眉を寄せる。 『なんだか…。私の一部が、欠けたような…』 手に持っていた筆を置き、そのままの表情で睨み付けるように男を見詰めた。 『………やっぱり、何でもないです。 変なこと言ってすみませんでした』 口元に笑みを宿し、男は去っていった。  
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