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わけがわからないと言わんばかりに俺の顔を見つめていた。俺にもよく分からない。
「まぁ、いいや。ついでに微糖だからね!」
顔を赤くし、七海は若干暴走気味にそう言った。これも意味不明。
「別に黄色い缶のMコーヒーみたいに激甘でも俺は構わないZON!」
人差し指を七海の額に当てる。勢いがありすぎたのか、爪が刺さったのか(多分、その両方だが)七海は額を押さえて踞る。
「っもう! 痛いよぉ~。コーヒーなんか関係ないから学校に行くから! 絶対に学校行くからね!」
そして俺は七海にズルズルと学校へ行くハメになる。
玄関に出て、七海はまるで俺を毎朝捨てるゴミのように道路に投げ捨てた。
「ちーくん。遅刻だから急いでね!」
そして自転車のベルをチンチンと鳴らす。
つまり、二人乗りをしてお前を学校まで運べということか……。
「久しぶりだから。安全運転でよろしくね」
「七海悪いな……さすがの俺でも後ろに体重70キロ以上の奴を乗せて走るのは自信がない」
「あたしの体重はその半分以下だよ! 見た目でわかるでしょ!」
「ぴぴ、ミタメハンダン。身長156センチ。体重80キロ。戦闘力3億2000万。誕生日5月31日」
「うぇ~ん。身長しか合ってないっ。あたしの見た目の体重80キロだったの!? それにあたしそんなに強くないし!? つか、誕生日が存在していないよぉ!」
息をきらしながら突っ込みを入れる七海。
「お疲れさま。今ので七海のツッコミのレベルは四天王を一匹で無双出来るぐたらになったぞ」
「全然嬉しくないよ!」
ついでに簡単にツッコミのレベル100にするには俺の知り合いの南雲という奴と話すだけで十分だ。
「だが、まだまだこんなんで調子に乗るなよ。上には上がいるんだからな!」
「なんか物凄くどうでもいいんだけど……」
「WTOを目指して頑張れ。お前ならいける」
「だふりゅーてぃーおう? 世界貿易機関の略だよね?」
「いや違う。世界ツッコミ王者だ!」
「絶対になりたくないよ」
「そうか……残念だ……はぁ……」
「何で物凄く残念な顔に!? っか、早く乗せてよ! 遅刻してるんだよ!」
「実はこの俺、御榊智弘には裏設定上存在していた!」
「へぇー」
そんなどうでもいい、つか今は早くあたしを学校まで自転車を漕いで下さいと目で訴えていた。
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