朝起きて憑かれて

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 グッジョブ! 「あ、白……」 「白?」 「……いや、何でもない」  危ない危ない。思わず声が漏れてしまった。なんかバレたらあのばかでかい鎌で刺される気がした。 「ん? まぁ、いいや。ちーくんちーくん? どう、あたし可愛い?」 「……可愛いとかそんな問題じゃなくてそもそも状況が意味わからないし」 「だから私がちーくんに憑いたの」  それはすなわち、俺は近い内に死ぬんですか? そうなんですか?  たちの悪い冗談だ。余命宣告をされた患者の気分というのはこんな感じなんだろう。胸糞悪い。  まったく……まだ、やりたいことがいっぱいあるっつうのに。今はそうだな……とにかく寝たい。  ということで俺は寝る。寝ればこのおかしな夢が覚める気がしたのだ。  俺は七海の言葉を無視し目を瞑る。すぐにすぅーと眠気が襲ってくる。  だんだんと意識が……薄れていく。 「えぇ!? ちょ、起きてよぉっ」  ゆさゆさと揺らされる。だがその程度で俺の眠りを妨げることは出来ない。 「……ぐぅー」 「むぅう! 起きないと寿命減らしちゃうよっ! いいのっ!?」 「ぐぅー」 「むぅーむぅー! 起きろぉお!」 ざくっ! 「ざくっ?」  量産型や三倍とか……あの緑色や赤色のあの機械か?  初めて聞くその音に俺は目を覚ます。その目の前光景に俺は唖然としてしまう。自分の腹に刺さった大鎌。銀色にきらめく大刃の半分以上が俺のお腹すっぽり収まっている。  貫通してるんじゃないか……いや確実に貫通しているね……これ? わぁ~凄い、腹から背中へと刃が飛び出してる、これってベッドごと突き抜けてる凄い凄い……ってアホか!? 「………………はぁ」  だんだんと冷静になる。すると徐々に痛みが現れる。 「ん?……んぎゃあああぁぁあっ! 何だぁ! これぇえ!? 超いってぇぇええっ!」  身体を焼きつくす痛み。傷口を弄られた感覚。全身の痛覚が腹を中心に集まる。精神が焼かれしまうような感覚。痛くて何も考えられなくなる。 「あぁ、わーわー。ごめんごめん。今から抜くね!」  ほいっと七海はばかでかい鎌を持ち上げる。刄が深く刺さってたせいかなかなか腹から外れない。結局七海が鎌を持ち上げると俺の身体も持ち上がってしまう形になっていた。
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