朝起きて憑かれて

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「やっほ~。ちーくん、また会ったね!」  やはりさっきのあったのは夢ではなかったらしい。認めたくないがやはり紛れもない事実であったらしい。 「ちーくん、ネクタイいい加減過ぎだよぉ~」  俺のネクタイを締め直してくれた。 「なぁ? 七海、本当にお前死神なのか?」 「う? ん、そだよ……よし、これで完璧」  ネクタイを直しながらそう言う。否定をしない。天真爛漫な笑顔での解答だった。  俺はネクタイを緩める。するとむうと七海は頬を膨らまし、さっきよりきつく絞められる。 「まぁ、今はこの通り人間だけど~」  七海はクルっと一回転し、両手を広げポーズを取る。スカートの裾を持ち、にっこりと微笑んでいた。 「ふーん? どれどれ?」  俺は七海の頬に軽く触れる。暖かく、柔らかい。まるでマシュマロみたいだった。  ぷにぷに。なかなか良い感触だった。 「えへへ~。ぷにぷにでしょ?」  自慢気にそんな事を言っていた。  ぷにぷに、ぷにぷに、ぷにぷに……。 「うへぇ~。気持ちいい~」  何か物凄く幸せな笑みを浮かべていた。  そう言えば……さっきこいつに刺されたんだよな。  そう考えていると仕返しがしたくなる。俺は七海の頬をつまみ、両側に引っ張る。思ったよりも横に伸びる。こりゃマシュマロってよりは餅だな。 「ひゃたいよぉ~。ひゃにひゅんだひょ?」 「さっきはてめぇよくもあんなもん刺しやがったな、このこの」 「うにゅ~っ! ひゃって、てぃーひゅんひゃ、あひゃしのはなひぃ、ひかないひぃんひゃもん!」 「あはは~何いってるかわかんねぇ~な」 「ひゃめてぇ~」 「刺してごめんなさいって言えや。このこの!」  上下左右とあらゆる方向に七海の頬を引っ張る。
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