兄の背中

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あの日、兄貴は家を出ていった。 当時兄貴は18歳。俺は11歳だった。 本当は兄貴のこと、大切で今ほど嫌いじゃなかった。 -兄の背中- 俺は学校から帰ってきて自室の布団の上に寝転がっていた。 そんな俺に睡魔が襲いかかり、俺はそのまま眠りについた。 そして、あの時の夢を見た……。 〃〃〃 「え?兄貴、家出るの!?」 小学校から帰ってきた俺は父さんからそう伝えられた。 「うん…。今日の夕方…だからもう少ししたら出るって。今おじいちゃんと話してるよ。」 「…そう。分かった。後でおやつ食べに行くな!」 俺はそう言って自室に駆け込んだ。 ショックだった。 兄貴が家を出ていくと言うことが。 俺は幼い頃から兄貴が俺のことをよく思っていない…嫌いだと分かっていた。 でも家を出たくなるほど俺のことが嫌いだったとは思っていなかった。 その後、俺は兄貴の居場所を奪う自分が憎く悲しくて部屋の隅にうずくまって泣いていた。
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