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「そっか、劉備のところも同じ目にあってたのか」
「それで、翠はこれからどうする気?」
決まっている。渚の問いにそんな表情を浮かべながら馬超は言い放った。
「曹操を討つ!!……今は力を蓄えて、再起を図る。そしていつか必ず曹操を仕留めてみせる!!」
その強い覚悟を見た渚は馬超を止めることを躊躇してしまう。
友達が復讐のために生きる姿などは見たくはないが、目の前にいる彼女の強い意志は言葉ではどうにもならなそうだ。
「……そう。なら、それまではこの城で休んでいなさい」
渚は疲れたような笑みを浮かべながら翠の目を見る。
翠は「ごめんな」と呟くと自分の兵が休んでいるところへと向かい、玉座を後にした。
「なんとかなるわよね…………きっと」
そっと呟いたその言葉は誰にも届くことなく静かに消える。
翠の出て行った扉を悲しげに見つめる渚の背中を見て桃香達は何も言うことが出来なかった。
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