その男、天の御使い

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静かな住宅街の一角。 そこに周りの家と比べても一回りは大きい家。それが俺の家、本郷家だ。 親は貿易関連の仕事で成功を納めて年収も億単位だとかなんとか自分で言っていたが、まぁようは金持ちだ。 そんな金持ちの家に生まれた俺こと本郷一刀は今、家の地下にて怪しげな実験を行っている。 「よし、これであとはこれを中に入れれば……………」 ジュッ えっ? 「うぎゃあぁぁあぁあぁあ!!」 その瞬間、閑静な住宅街の地面が一瞬揺れた。その小規模地震の震源地は言うこともなく俺。 どうやら火薬の分量を間違えて入れたために小規模な爆発が起きてしまったらしい。というか起こしてしまった。 「ケホッ………あー、威力上げすぎたかなぁ。今の爆発は今までの比じゃないぞ…………」 間一髪で実験部屋を抜け出した俺は爆風にやられながらも何とか無事。服の方は昇天なされたみたいだが………ちくしょう、お気に入りだったのに。 「……………はぁ、しょうがないか、とりあえず風呂入って着替えよう」 俺は無残にも黒こげになった部屋の中を見てため息をつきながらも、着替えるために一階へと続く階段を上っていった。
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