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アルト「ん…ぅ」
朝早く目が覚めたアルトは、スルッと腕を撫でてあらためて手当てされてある事に気付いた
アルト「……包、帯…」
不意にじわりと浮かぶ涙
こんなの初めてだった
あんなに優しくされたのも
手当てされたのも
…自分のために泣いてくれたのも
全部が初めて
アルト「…奈緒…お姉ちゃん」
ぽつりと寝室で呟き、流れる涙を拭った
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
奈緒「…すー、すー…」
アルト「…」
奈緒「っくしゅん!」
アルト「!!、風邪…引いちゃう」
アルトはソファーで寝ている奈緒に寝室から毛布を持ってきて、かけてやった
奈緒「…うへへー…、ア…ルト」
アルト「?、は…ぃ……、(寝言…ですか)」
まるで
今までの生活からは考えられない…
穏やかで
暖かい
心地よくて…
離れられなくなりそうで怖い
拒絶が怖い
アルト「お姉…ちゃ、ん……」
ぎゅうっとソファーの横に座り毛布を握る
もう、あんな目にあいたくない
奈緒「どーしたのー?」
アルト「!!いっ、いえ…何も」
奈緒「そー?、あ、毛布ありがとう」
知らないうちにかけてあった毛布
アルトくんしかいないんだから、アルトくんがかけてくれたんだろう
奈緒「さて、朝ご飯つくるね?」
アルト「僕も…てつ…(また…迷惑、かけるかな)」
奈緒「…あはは!それじゃぁ…お皿を、ゆっくり一枚づつでいいから用意してもらえる?」
アルト「!(コクコク)」
奈緒「それじゃー、一緒に朝ご飯つくろー!」
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