第二話

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アルト「ん…ぅ」 朝早く目が覚めたアルトは、スルッと腕を撫でてあらためて手当てされてある事に気付いた アルト「……包、帯…」 不意にじわりと浮かぶ涙 こんなの初めてだった あんなに優しくされたのも 手当てされたのも …自分のために泣いてくれたのも 全部が初めて アルト「…奈緒…お姉ちゃん」 ぽつりと寝室で呟き、流れる涙を拭った  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 奈緒「…すー、すー…」 アルト「…」 奈緒「っくしゅん!」 アルト「!!、風邪…引いちゃう」 アルトはソファーで寝ている奈緒に寝室から毛布を持ってきて、かけてやった 奈緒「…うへへー…、ア…ルト」 アルト「?、は…ぃ……、(寝言…ですか)」 まるで 今までの生活からは考えられない… 穏やかで 暖かい 心地よくて… 離れられなくなりそうで怖い 拒絶が怖い アルト「お姉…ちゃ、ん……」 ぎゅうっとソファーの横に座り毛布を握る もう、あんな目にあいたくない 奈緒「どーしたのー?」 アルト「!!いっ、いえ…何も」 奈緒「そー?、あ、毛布ありがとう」 知らないうちにかけてあった毛布 アルトくんしかいないんだから、アルトくんがかけてくれたんだろう 奈緒「さて、朝ご飯つくるね?」 アルト「僕も…てつ…(また…迷惑、かけるかな)」 奈緒「…あはは!それじゃぁ…お皿を、ゆっくり一枚づつでいいから用意してもらえる?」 アルト「!(コクコク)」 奈緒「それじゃー、一緒に朝ご飯つくろー!」
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