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奈緒「はい、どーぞ」
アルト「……」
奈緒「それじゃ、いただきます」
向かい合わせに座り
ぱちんと手を合わせて、スプーンを持ちカレーをすくって食べる
?あれ、アルトくん食べないのかな…
は!もしかしてカレー嫌いとか?
奈緒「あの、カレー嫌だった?」
アルト「……」
奈緒「ごめんね、今すぐ違うのを用意す「……」
席を立とうとテーブルに手をつくと、向かい側から手がのびてきて私の手を握った
アルト「……」
奈緒「どうしたの?」
アルト「……」
奈緒「カレー嫌じゃないの?」
アルト「(コクン)…」
奈緒「じゃあ…どうしたの?」
アルト「食べて……いい…の?」
予想外の返事
思わず目を丸くした
奈緒「だって、アルトくんのだし…アルトくんが食べなきゃ、誰が食べるの?」
カチャっとアルトくんのスプーンを取り、カレーをすくって差し出す
奈緒「美味しいよ?、ほら、あーん」
アルト「!?」
奈緒「ほら、食べなよ」
アルト「っ……、あー…」
小さな口を開けて、パクりとカレーを食べたアルトくんは、ふにゃりと頬を緩めた
奈緒「あ!笑った」
アルト「…?」
一瞬だけだったけど、アルトくんは確実に笑った
まるで天使みたいに可愛くて、すごく綺麗だ
なんで、こんな子が虐待なんか受けなきゃいけないの…
酷いよ……
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