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「ティア。」
「どうしたの?フィー。」
私達は愛称で互いを呼び合っている
「ティア。私、もうここに居たくない」
私の手を引っ張ってどんどん先にいくフィーがどんな顔をしているのは見えない
だけど…きっと泣いている
だって、声が震えているから
「フィー…」
フィーはずっとお嬢様として育てられてきた
でもリディル伯爵様、フィーのお父様が亡くなってからは私と同じように召使いとして扱われていた
「こんなところにもう居たくない」
しゃがみ込んで泣き出したフィー
きっとずっと我慢していたんだろう
「フィー…」
「ティア…一緒に逃げよう」
フィーの出した結論
でも私は返事をしなかった
「ティアはここに居ても幸せなの?」
そんな訳ない
誰が、虐められて幸せと思う人がいるだろうか
「私は好きでここに居るんじゃない。」
「ー…じゃあ…なんで「フィーと一緒に居るため。ここから逃げたら離れ離れになってしまうかもしれない。虐められるけど…フィーと一緒なら大丈夫」
「ティア…」
「だから頑張ろう?」
辛くても2人でなら乗り越えられるはずだから
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