大飢饉の贄

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木の根すらも食べ尽くした 荒れた村 100年に一度の大飢饉らしい 村の皆は痩せこけ、畑どころか道の草すらも生えていない 町の外れのあばら屋 私の住家に村長がきた時、目的は分かっていた 「すまない…親無しのお前に贄なんてものを押しつけるのは狡いと分かってはいる…だが、すまぬ…贄として、ミサラギ山にいってくれ…」 うなだれて頭を下げる村長に、私は笑った いくら飢饉の最中だと言えど一体どこの親が我が子を贄などに出すものか 人の心があるならばそんなことはできないもの 「親が子を守るのは当たり前ですよ  私は、村長のおかげで…この村のみんなのおかげで命繋いで来たようなもの  この命で恩返しできるんですから…  だから…村長が頭を下げることはないんです」
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