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何か、私は拙い事でもしたのだろうか
「それは、お前の意思か」
確かにいきなり押しかけて頼みごと何かされるなんて面倒この上な…、
「は?」
てっきり都合を押しつける人に対してと思っていた思考回路を強制的に止めた鬼の言葉
思わず失礼な一文字が出てしまった
「贄はお前の意思かと聞いているんだ」
「…私の意思です」
確かに頼まれたものだけれど、ここに来ないで村から逃げ出す事だってできた
そうはせず、ここまで来たのは私の意思だ
鬼は、一体何が言いたいのだろうか
私の返事が気に食わないのか、鬼はまだ眉を顰めたまま
私の目をしっかりと見つめてくる
瞳の中の偽りを見つけ出そうとしているかのようにしっかりと
「…そう言えと言われたのか」
「いいえ、全て私の思うままに
私は孤児で村の外れに打ち捨てられていた身
贄となるのはこの身にはこれほどない誉れです」
「贄の意味が分かっているのか?」
「…はい、この身を貴方様に捧げます」
「他人の為に、そこまでするものか?」
「他人などでは…いえ、他人であっても救いたい人がいるのです」
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