一章

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そういえば、部屋隣だったな……。 左側の部屋に入った一之瀬君を見て僕は今更ながらそんなことを思った。 一階にある三部屋の真ん中。僕の部屋。右側は亜季。左側は一之瀬君。二階には鈴ちゃんと楓さん。 僕を含めて五人の同居人。年齢も生活もバラバラだ。 『ここの住人、私も含めて全員とあまり関わらないほうがいい。お互いのためにもな』 楓さんが言った言葉を思い出す。 人と深く関われば傷つくと、僕は知っている。 だけど、誰とも関わらずに過ごすことはできない。 だから、僕はもう二度と間違えない。 僕は自分の部屋へと入り、扉を閉めた。
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