見えない距離

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 「……」  慎二はいっつもこのペースだ。俺は無言で立ち上がり、教室を後にする。  「おい一護! ったく。悪いな沙菜ちゃん。また明日」  慎二は沙菜にそう言った後、俺の後を追いかけてきた。  そして、少し真剣な顔つきで言う。  「一護。少しは仲良くしてやれよ。沙菜ちゃん可哀そうだぜ?」  「……別に普通だ」  「……そうか。でもなんか最近妙に」  「何でも無いもんは何でも無い」  と、慎二の顔を見て言う。  「わかったよ」  と言って、慎二はまたボリボリと頭を掻いた。
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