見えない距離

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 部活に所属していない俺と慎二は、学校を出て何かをする予定もないので、真っ直ぐに家に帰ることにした。  慎二とは学校を出て、少し川に沿って歩いた所にある小さな橋でいつも別れる。  「それでは皆さん、また来週」  「……明日だろ」  「……ばれた?」  と、慎二は自分で自分の頭を叩き笑顔を作り、じゃあなと言って帰って行った。  学校、というより俺が住んでいるこの町は、はっきり言って田舎だ。  街と呼べる街に行くには電車で30分は掛かるし、元々電車はこの町で終電なのだ。  町をほんの少し離れると山があり、その山が1本の大きな川を作っている。その川はいくつかの細い川に分散し、 いろいろな町へと分かれていく。その1つが学校の前を流れているのだ。  一言に田舎。と言ってしまえばそれまでかもしれないこの町。  けどこんな町、俺は嫌いじゃない。  綺麗な山、川、草木。田舎育ちの俺にとってはどれも大切なものだと感じているからだ。  それは恐らく慎二も同じなんだと思う。
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