見えない距離

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 俺は沙菜と中学の時同じクラスだったせいか、まるで家族のように仲が良かった。  その当時は、沙菜を『恋人』となんて見るはずもなくそのまま刻々と時は進んでいった。  しかし、高校に入学した時の俺と沙菜に大きな『違い』が生まれた。  沙菜は中学の頃と何一つ変わらず、ドジで、泣き虫で、鈍感で。それでも意地っ張りなまま。  でも俺は、高校に入学した人が誰でも味わう心の進化を堪能し、それに順応させるかの如く変わって行った。  そう……。  大人への第1歩という心の進化を。  周りの目を気にしてはその目を避け、自分1人の世界を心の中で築きあげてた……。
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