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僕が先にアイルを甦らせようとしていた。アイルの死を1番始めに知っていたから。
「魂が拒絶をするのですよ。ロボットだと」
「拒絶?」
「自らの身体でないことから魂が受け付けないのですよ」
「だったら他の方法を探せばいいじゃない!」
僕は首を横に振った。
「探してるうちにアイルのように、歳をとって死んでいったほうが早いのではと気付いたんです」
「……」
「僕は考えを変えました。不老不死から逃れる方法を探そうと……。だから、僕は未だに探してます」
僕は杖をおろし、背を向けた。
「あなたがアイルを甦らせることは別に気にしません。ですが、後悔しないで下さい」
「後悔……」
「人を生き返らせると言うことは大きな代償を払うのです。そんな代償を払って、アイルの傍に近付きたいなら、僕は歳をとって、彼女に近付きたい――」
僕はその後、彼女の家を去った。
歳をとらない自分。
だから僕は魔女が嫌いなんだ。
END
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