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◇
「出来たの! すぐ戻るわ!」
魔女はそう告げて、自分の家へと飛んで向かう。
顔は満面の笑みである。
(もうすぐ。もうすぐ会えるんだわ! 姉さんに……)
技師ヒカルから完成した、という知らせが入った。ようやく、甦らせることができるのだ。
着いてすぐに家のドアを開けた。
彼女は暗闇の中を進む。
「完成したものは何処にあるの!?」
彼女の声が響く。
杖を取り出し、彼女は杖の先に光りを集めた。そして、杖を突き出し、周りを見渡した。
ぴたりと見渡すのを止めたのと同時に、彼女は口を開いた。
「何故返事に答えないの? 何処なの……完成したロボットは?」
「ロボットはあちらです」
僕が部屋の奥を指差した。
「お金はすぐにあなたの家に届けるわ。もう帰っていいわよ」
答えながら先に行く。僕が言った通り、ロボットが立っていた。
「これで……これで姉さんが!」
「待ってもらいましょうか? レイナさん」
彼女の後ろに立ち、僕は続けた。
「アイルを甦らせるんですか?」
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