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彼女は直ぐさま杖を僕に向けた。
「何故、あなたがそのことを知っているの?」
「僕と同じことをしようとしてるからです。アイルを甦らせようとしているとね……」
彼女は眉をよせる。
「答えになってないわ。何故姉さんのことを知っている……」
「先程、写真にアイルが写っていて気付きました。あなたが小さい時ですから、僕のことは覚えてないでしょう。まぁ実際、あなたがアイルの妹だと気付かなかった自分が言うのはアレですが……。簡単にいうと、僕はアイルの夫でした」
そう答えると、彼女は言った。
「姉さんと結婚した相手は魔女よ! けどあなたは……」
「僕は人間じゃありません。魔女です」
服から杖を取り出し、彼女に向けた。
「自称、技師ヒカルと名乗っていただけですよ」
「……じゃあ、あなたは兄さんなのね」
「そうですね」
「何故姉さんを甦らせなかったのかしら?」
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