episode1 始まり

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その日は、とても景色がきれいだった。 ──ただ、それだけだったのに。 「痛いっ!」 たくさんの桜の花びらが敷き詰められている道路。特に何も無いのに、1人の女の子が勢いよく転んだ。 姫崎眞奈。16歳。 今日、いよいよ高校生になります! 「まな、大丈夫!?立てる?」 そう言って私に手をのばすのは、4つ上の姉・眞帆(まほ)ちゃん。 「うわぁーん!痛いー!血っ!血が出てるー!」 少し血が出た膝を指さしながら、大げさに泣く。
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