第十一訓

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*********************** 「実験は上手くいってるみたいですね。」 その部屋は広く作られていたが今は狭くなるほど機械やらカプセルやら何かの肉片など不気味なものが多く散らかっていた。 ?『入るならノックぐらいしてよね。』 奥から声が聞こえる。 「それはすみませんでした。でもノックしても聞こえないんじゃないですか?」 ?『…減らず口…そう言う人を馬鹿にしたようなしゃべり方が苛々する。』 「これはすみませんね。でも口癖なので。」 全然悪びれずに言う。 ?『…フンッ…それでなんの用よ?』 「例の実験、上手くいってるそうですね。もう何体か江戸に送り込んだとか。」 ?『まぁね。あなたが適当に見繕って取ってきた血や髪の毛から作った奴をね。 実験は今のところ順調よ。』 「例の…坂田銀時から取ってきた血…役に立っていますか?」 ?『…もちろん。もう完成よ。もう送り込めるわ。』 「それはよかった。 そろそろ江戸に着陸して本格的に作戦に入りますから。 あなたの技術、けっこう期待してますよ?」 ?『…別にあなたたちの作戦なんて気にしてないわ。 私は私の望みを叶えたいだけ。 江戸につけば叶えられる…ね。』 「とりあえず作戦通りお願いしますよ。」 そう言って部屋から出る。 ?『… もうすぐ…会えるからね…蓮魅…』 彼女はいとおしそうに写真の中の少女をなでた… 江戸着陸まであと1時間。
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