未来へ

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ユウが時間を作って、沖縄にやって来た時… 空のお腹はかなり大きくなっていた 「大きくなったわね」 「でしょ? もう、腰は痛いし 足はダルイし… ママってば、二人もよく産んだわよね」 「母の苦労が身に沁みて判るでしょ?」 「うん」 久しぶりに会う空は 顔色が良く、元気そうで 問題を抱えた妊婦には見えなかった 「先生がね、心臓の状態が割りといいから、こっちでの出産も可能だって言ってくれたのよ」 その言葉に、ユウは顔をしかめる その表情を見て やっぱり…と、想定内の反応をした母に、空がため息をつく 「駄目でしょ…」 「そう言うと思った…」 落胆した表情で、空が言うと 「最初から、出産の時には戻って来るっていう約束で、こっちに来る事を承知したのよ? こっちでの出産って…先生を信用しない訳じゃないけど 駄目よ…空… せめてママの近くに居て欲しいわ」 その言葉に、空の顔も曇った 「ママの言う事はよく判る… でも、こっちに居たいの ここに居たいのよ… 私の我儘だって判ってる… 勝手に妊娠しちゃって、産むって言い出して 病気の事が判って 私…我儘ばかり 自分の思い通りの事ばかりしてるって判ってる それでも、こっちに居たいって気持ち、ママに判って欲しい ママなら判ってくれるって思ったの」 空の気持ちは、痛いくらいに判った 出産という事を現実的に考えて 今の主治医が大丈夫だと言うのなら、その通りなのだろう だから、空がこのまま動かないで居たいという気持ちを持ったとしても、不思議な事では無い むしろ、そう考えて当然だろう 妊娠後期の心疾患を抱えた身体で、より安全な出産を目的としていても、長距離を移動する事と 医師を信頼して、このままここに居る事 どちらがリスクが大きいのか、検討する余地は充分にあった
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