未来へ

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魁が話し掛ける様子を、通り過ぎる看護師達も 時に少し立ち止まっては、見守っていた 微笑ましくもあり 悲しくもあり あらゆる人たちの死に直面してきた看護師達にも、 痛々しく 献身的に付き添う姿は、感銘を与え 魁と同じように 空が目を覚ます事を心から願っていた 「無事出産出来たのに… このままなんて、悲し過ぎるわね…」 「まだ籍も入れて無かったんでしょ? 良かったのか、悪かったのか…」 「そうね…」 そんな会話が、看護師の間で 小さな声で交わされていた 空のてを握り 自分の頬に添えていた その時、包み込んでいる空の手が動いた… そんな感触が伝わって来た 横顔を見ると、その睫がピクピクと動くのを目にした 心臓がドクンと大きく鳴り 全身の毛が逆立つような感覚を覚え 「空?空っ 聞こえるか?」 その声に反応するかのように、 魁の手のひらの中で、空の手がさらに動いた そして、目がうっすらと開いている 振り返り、叫ぶ 「看護師さんっ 来て下さいっ! 誰かっ!!先生はどこですかっ」 その声に、看護師が駆けつけ ベッドサイドにやって来て 空に話し掛ける 「藤木さん?聞こえますか?」 そう問うと、確かに反応があった 「仲村先生を呼んでっ」 そう、他の看護師に声を掛け、ICUの中は慌しく動き出した
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