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「謝る事は無い…
お前は頑張ったし
こうやって俺のとこに戻って来てくれた
もう、それだけでいい」
その後は、何も言わず
暫く抱き合っていた
そして
「赤ちゃんに会いたい」
そう言い出したら…
「だよな
けど、あの子は保育器からまだ出られないし
お前もまだ動けない
もう少し辛抱しろ」
「それは嫌 今すぐ会いたい」
そう言って、頑として一切の説明を聞き入れようとはしない
押し問答が続いた
元々頑固な性格ではあったが、ここまで頑固だとは思わなかった
ちゃんと連れて行かなければ、付いてる管や点滴を勝手に外して
会いに行ってしまいそうな勢いに
魁は渋々看護師に声を掛けた
「独りで這ってでも行きそうな勢いなんです…」
そう説明すると、半分笑って・半分呆れた表情の看護師は
「先生に聞いてみますから、這って行かない様に見張っておいて下さい」
そう、冗談まじりに言うと電話を掛けた
暫くして、回診を早めに段取りしてやって来た仲村医師
困ったような顔で、首にかけた聴診器を手に取り、空の胸の音を聞く
帝王切開の傷口を露にして、消毒し、ガーゼをあてた
「まだ無理しない方がいいですよ」
「大丈夫です」
無理に元気そうに見せようとしているには明らかで
それでも、子供に会いたいという気持ちは
今までの経過を考えると
当たり前の事で…
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