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立ち止まってウェットスーツを、上半身だけ脱ぎ さらに砂浜を歩いて行くと、自分を見ている女性の姿がハッキリとして来た そこでようやく、傍らに座る女性にも気がついた ツバの大きな帽子に、サングラスの女性は 手に持った本に目を落としたまま、顔を上げようとはしなかった ボンベを砂の上に落とし、両手を腰に当て 呆れた表情で、2人を見た 「魁ぃぃぃ」 立っている女性は、そう叫んで呼び掛け、目一杯手を振る 「利亜……」 聞こえない小さな声で呟く 理亜の声に、隣の女性が顔を上げ 立ち上がると 「魁ぃぃ」 と叫んだ 「何で琉璃サンまで居るんだよ……」 と、更に魁が呟いた
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