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「何してんだよ こんなとこで それも琉璃サンまで…」 怪訝な顔つきで、魁が言う 「利亜が休暇だって言って、急に帰って来たの でね 魁に会いたいって言うから、一緒に来たのよ」 魁は琉璃の言葉に、利亜を軽く睨む 「また適当な事言っただろ 琉璃サンも判ってるくせに」 利亜は、ニコニコしながら魁を見つめている 魁は、逆にややイライラしていた 「いいじゃない 勝手に家に入って待ってるよりいいでしょ?」 琉璃の言葉に 夕食を作って 泡盛なんかを呑みながら「おかえりぃ」と言う2人の姿が頭に浮かんだ… 確かにそれよりは… 「どうせ遊びたいだけだろ」 「いいじゃない 滅多に会わないんだから」 「そうそう 魁はなかなか帰って来ないし」 そう言って笑う琉璃 魁の母・琉璃は、まだ40代にすら見えるくらいに若々しい スタイルも維持され まさか還暦を過ぎているようには見えない 魁は、自分だけが歳を取った様に感じる 利亜も、27には決して見えない童顔だ 利亜は、魁の双子の妹だ 「もう、好きにするさ 俺は仕事があるんだから、邪魔だけはしないでくれよ ところで、父さんは?」
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