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何で沖縄くんだりで、家族全員勢揃いになんなきゃいけないんだ…… うんざりしながら、魁はそんな事を、まず考えていた 父は、祖父の会社に入り 今は、嘱託として仕事に関わっている 社長は、叔父であり、父・シンの兄である慶司が務めており 典型的な家族経営状態でありながらも 二人の手腕に、社員が尊敬の念を抱きつつ 順調に企業としの成長を続けていた その為に、嘱託でありながら 忙しく仕事をしていた 母・琉璃は シンが父親の会社に入ると共に引っ越しをする事となり 必然的に仕事を辞めた 当初は、慣れない仕事に戸惑う夫を 献身的に支え そうして、魁と利亜が生まれた 放任主義の両親は、二人の望む方向へ導くだけで その望む事を実現する事を、 最大限に応援してくれた 利亜は、仏文学を専攻した後 フランスに留学 その後、世渡りの上手さを生かしてか 領事館へ入る事が出来た 魁は、無愛想に、ぶっきらぼうにしていても 父と母を尊敬していたし 利亜の事も、何かがあれば支えとなるだろうが 家族で過ごす事は、避けたいものであった
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