この話の最後です…

4/4
前へ
/39ページ
次へ
「今日も暑くなるな~」 「そうね。でも別に今日は体育ないわよ?」 「まぁそうだけど…。気分的に嫌じゃん」 「まぁわからない事はないけど…」 かがみがそう言った瞬間、電車が急にブレーキをかけた。 「きゃ!」 そういい、かがみは克也によりかかった。 「ちょ、柊?大丈夫?」 「う…うん。大丈夫…。っておい!」 「何?」 「何どさくさに紛れて私の手を握ってるのよ!」 かがみにそう言われて自分の手を見てみると、確かにかがみの手を握っていた。 「ごっ、ごめん!柊!つい…」 「つい?つい何よ!」 かがみは少し怒ったような顔をした。 「いや…柊がこれ以上…俺から離れないようにって…」 「……」 「柊?」 かがみが突然黙ったので、克也は焦った。 「本当にごめん!もう絶対にしないから!」 ぺこり、と頭を下げる。 「……」 それでもまだ黙るかがみ…。 (そうとう怒ってるのか…。口聞いてもらえなかったらどうしよう!!) オロオロしながら必死に謝ってると、かがみが小さな声で… バカ… と言った。 「え?何でバカ?」 「あんたのせいで…違う意味にとらえちゃったじゃない!」 「違う意味?」 (違う意味ってなんだろう…) 克也は考えた。 いや…柊がこれ以上…俺から離れないようにって… (ん~別に変な事言ってないよね?じゃあ何でバカ?) 考えれば考えるほどわからなくなった。 「出たよ…。あんたのボケが…」 かがみは克也に背中を向けながら言った。 「俺はぼけてないよ」 「…はぁ~。もういい」 かがみはため息を一つつきながら克也に言う。 「もうすぐつくわよ」 「あ、本当だ。以外と早くついたな…」 「以外と早くって…。あんたいつも乗ってるだろ」 「いや、いつもだったらもっと遅い感じが…」 「……」 「柊?」 「ほら、行くわよ!克也!」 かがみがそう言うとちょうど扉が開いた。 「え?今俺の事…」 「はいはい。質問あと。私走るから!」 そう言ってかがみは走って先に行ってしまった。 「…確かに俺の事、克也って言ったよな?」 変な気持ちになりながら、今日も一日が始まるのでした。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加