2.ヴィレッジ
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老人はそう言い、握り飯の乗った皿を差し出した。 「なあに、この村には知らん顔などめずらしくてのう。 ついお節介を焼きたくなるんじゃよ。気にせず召し上がれ」 出雲は頭を下げると握り飯に手を伸ばした。 だいぶ腹も空いていたらしい。 あっという間におにぎり二つが皿から消えた。 「おや、足りなかったかのう。 そのうち孫が帰ってくるだろうから、そうしたら何か作らせよう。 それまではゆっくり休んでいるといい」
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