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ああ神様……私達二人は、こんな呵責に会いながら、病気一つせずに、日に増し丸々と肥って、康強に、美しく育って行くのです。
この島の清らかな風と、水と、豊穣な食物と、美しい、楽しい、花と鳥とに護られて……。
ああ。何という恐ろしい責め苦でしょう。この美しい、美しい島はもうスッカリ地獄です。
神様。神様。
あなたはなぜ私達二人を、一思いに虐殺して下さらないのですか……。
夢野 久作『瓶詰の地獄』より
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