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旅行?
右手の指の痛みも消えた頃、何やら家の中がいつもより騒がしい…
実はあのミシン事件依頼、両親の仲が悪くなり毎日喧嘩ばかりしていた…
子供部屋に避難していたが、いつもより怒鳴り声も大きく、陶器が割れるような音が何度も聞こえた…
耳を両手で塞ぎ、目を瞑って震えながら早く事が終わってくれる事を祈った…
それから何分くらいたったのだろうか…
気がつくと二人の声も聞こえなくなり寝てしまった…
翌朝目が覚めると母親が涙目でこう話かけてきた…
「一緒にお出かけしましょ…」
うん!
と返事をしたのはイイが荷物が沢山…
何処行くのかな…?
気がつくと見知らぬオジさんが手を振っている…
沢山の荷物を車のトランクに詰め込み、行き先がわからない旅行が始まった。
この見知らぬオジさん誰なんだろう…?
母親の前では僕に優しく声をかけてきてくれるけど、一人になると何故か恐い感じ…
車が走り始めて何時間たったのか…辺りは暗くなり電灯も無いような山道をひたすら走っていた…
疲れて眠ってしまい、しばらくして意識が戻ると車は停まっていて二人はいなかった…
真っ暗な車内に一人取り残され、エンジンもかかって無く鍵も閉められた状態…
いくら叫んでも誰も来てくれない…
ここは何処だろう…
僕はどうなっちゃうんだろう…
もしかしたらお化けが出るかもしれない…なんて恐怖心から、泣きながら頭を抱えて二人が帰ってくるのと時間が過ぎるのを待った…
初めての旅行…
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