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「………で、今回のテストの事なんだけど」
先生は自分の席に着くなり
椅子にどかっと座り
その椅子をくるっと
私の方に向け
足を組んで
話始めた
「…はい。」
先生と話せる!!!なんて舞い上がっていたけど
今日、私が先生に
呼ばれたのは
“テストの点数の悪さ”
のせいであって……
本題に入って
一気にテンションが下がる私
「お前、一年の頃から数学は本当苦手だよな」
そう。私は他の教科はまぁまぁの成績を取れているのに
数学だけは
中学からどうしても苦手で
高校に入って
一年の頃も
数学の担当が
この高沢先生で
大好きな先生の
担当教科だから!!って
自分なりに成績を上げる為に頑張ってはみたものの
「今回も、21点だしな」
………結果はいつもこんな感じ
「はい…」
先生も
もう呆れ果てちゃったんだろうなー
どうしよー…
『お前は、もうどうしようもできないな』
なんて突き放されたら
色んな不安が過ぎって
私は完璧に
さっきの元気を
なくしていた
「お前さ、」
「……はい」
「これから、月、水の放課後数学補習な」
「……………え?」
「え?じゃねーよ
ほ・しゅ・う!!!!」
「補習???」
「そうだよ!!
意味わかる(笑)!?」
「わっわかりますよ///」
「ははっ(笑)なら、早速来週から補習な!!!」
「あ、はい!!」
「場所は、数学資料室な」
「え、教室じゃないんですか??」
「だって補習つったってお前しかいないし、お前1人だけの為に教室使うなんて勿体無いだろ(笑)?」
なんて冗談混じりに笑いながら言う先生
でも 私の頭の中は
真っ白
だってだって
私、1人だけって
つまり、補習は先生と2人っきりでって事でしょーーーー???!!
絶対絶対絶対絶対無理!!!!!!!
2人きりで補習なんて
数学どころじゃないよ~///
私は1人で
パニック状態
そんな私に
先生は
「おい、お前聞いてんの??」
なんて 顔を覗き込むように聞いてきた
「あっ!!は、はい!!
来週の月曜からですね!」
私は恥ずかしくて
顔を逸らして
答えた
「うん。逃げんじゃねーぞ」
先生はそう言うと
意地悪い笑みを浮かべた
そんな笑顔を浮かべる
先生でさえも
カッコいい…//
なんて 思ってしまう私は
もう 手遅れな
『恋の病』に
かかってしまっているんだね―…
「まっ!!俺が逃がさねーけど」
あー先生
あなたは卑怯です…
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