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「……何故か分かるか?」
数分後、奨は口を開き問う
だが、それに答える事が出来ない
正確には、出来なかったのだ
玄人は考える
あの事件で、奨の魔力は失われ実の兄弟と僕以外全てに“落ちこぼれ”と呼ばれていた
しかし、間違いだった。奨は、向かってくる者を片っ端から倒し恐怖を与える
あの事件以来から、僕は奨の考えが分からなくなってきた。しかし彼の行動は、良い意味でも悪い意味でも重要な意味を持ってきた…
多分、今回も重要…そして、悪い意味の方で……そう、勘が僕に呟いてくる
彼の思考は、答える事の出来なかった言葉を
「嫌な予感しか…しないね」
考え抜いて、相手を怒らせない様に選び抜いた言葉が発せられた。そんな玄人に奨は、鼻で笑う
何が可笑しいのか、何が分かったのか
奨には、“嘘”は通用しない
「アンタの考え…正解だ
だが、悪い方なのかは…
分からないが、俺の目的を邪魔出来るか?」
言葉を発しながら彼は扉に向かって歩き出した
異様なまでの警戒心…厄介だね
僕を信頼一つ……それ以前に考えまで見透かされてる
扉を閉め出ていった奨を見て玄人は、苦虫を潰し悲しく笑った表情を見せ思った
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