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2XX7年、七月八日(1) -ある暑い夏の日に-
「…っっ!」
がばっ、
タオルケットをはねのけるように、上半身を起こす。
…呼吸が荒い。
ここのところ、夢見が悪くてずっとこの調子だった。
何の夢かは、思い出せない。
ただただ、ひたすらに恐ろしい夢だというのは分かっている。
「…疲れてるのか?」
自分自身に尋ねてみるが、答えが返ってくる訳がない。
喉の奥から自嘲の笑いが込み上げて来る。
時計を見ると、また目覚ましよりも少し早い。
寝覚めは最悪だが、これなら会社に遅刻せずに済む。
…支度をしよう。
そう考えて、ベッドから立ち上がった。
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