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やけつくような夏の日差し。
景気とは正反対に気温と体温だけはウナギ登りで、窓を全開にしても効果はまったく感じられない。
何かをする気にもなれず、椅子に体重を預ける。
動かなければ体力は使わないが、流れる汗はどうにも止められない。
「…う゛ぁー……」
…うめいてみても何も変わらず、余計に暑くなるだけだった。
ここ何年か、地球温暖化とやらのせいで夏は地獄になった。
四季のバランスは狂い出し、夏は長くより暑く、冬は短くより寒い。
こんな中途半端地方都市のコンクリートジャングルも、都心と変わらない暑さを誇っている。
「…シロさぁーん…クーラー入れましょうよ…」
溶けそうな暑さの中、耐えているのは俺だけじゃなかった。
「…それは無理な話だ、サイコ」
客用に買った安物のソファーでへばっているショートカットの少女に、俺は現実を突きつける。
「…昨日から電気が停められてる」
「………」
サイコは何かを言おうとして、結局力尽きた。
年なら俺の半分程度だろ、ガマンを知らない現代っ子め。
「…せ」
お、まだ動けるか。
「せめて…水…」
「…それも昨日停められた」
「………」
完全沈黙したサイコは、まぁ放置するとして。
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