第1章

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あらわになった頭蓋骨はへこむどころか、ひびすら入っていなかった。 「くそっ!無傷かよ」 俺が悪態をつくのと同時に化け物がモップの先をつかんだ。 「なっ!?…」 化け物はそのままモップを引っ張り、一緒になって引っ張られた俺の腹を蹴り飛ばした。 「ッ!…」 俺は痛みで声もあげられず後ろに吹っ飛び、反対側の壁にぶつかってその場に崩れ落ちた。 「がはっ!…」 込み上げる吐き気…昼飯前だったので何も吐かなかった代わりに、胃液の嫌な味と血の味が口の中に広がった。 顔を上げると目の前には、すでに化け物が立って俺を見下ろし、手に持っていた大鎌を振り上げていた。
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