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意識が朦朧とし、避けようにも痛みで1歩も動けない。
俺は死を覚悟して、大鎌が振り下ろされるのと同時に目を閉じた。
キンッ、金属どうしがぶつかり合う音とほのかな甘い香りがして俺は思わず目を開けた。
真っ先に目に飛び込んできたのは、俺を切り裂くはずの大鎌の刃…ではなく、少女の長い黒髪だった。
「何とか…間に合いました」
そう言う少女の手には、さっきまでは持っていなかった刀が握られていた。
少女はその刀で振り下ろされた大鎌を止めたのだ。
「お前…まだ…早く……逃げろ」
俺は途切れ途切れになりながらも、逃げるよう少女に言った。
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