第1章

30/38
前へ
/38ページ
次へ
「それそれ、お前そんなの持ってなかっただろ?」 教室から見た時や旧校舎を走っている時、そしてこの教室の中でも少女はずっと手ぶらだった。 「これは…最初から持っていたと言うか、いなかったと言うか…直接見せた方が早いですね」 少女はそう言うと刀を少し強く握った。 すると、刀が光に包まれて消えた。 「消えた!?」 俺は驚いて目を見開いた。 「この刀は実態のない妖刀なんです。私が思った通りに自由に出たり消えたりができるんです」 少女は淡々とそう話た。 「なるほどな」 もう、たいてい何を言われても動じなくなってきた。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加