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「あ、えと…なんか、スミマセン…?」
とりあえず何か言わなければいけないような気がして
(意味不明になってきた言い合いを終わらせたくて)
謝ると、俺に文句を言いながらふたりで言い合っていたふたりが、急に真面目な顔になってこっちを見てきた。
「もう一回、考え聞かせろよ…っつか、謝るくらいなら覚悟決めろ。」
「覚悟…ったって、」
雅一が中腰になってベッドに手をついたため、上半身を起こしていた憂姫は反対側に軽く仰け反る。
「俺たちふたりを好きでいられるか…」
柚稀が反対側に同じように手をついてきて、逃げられなくなってベッドに両肘を立てて身体を支えた。
「肉体的に相手できるか。…その辺は問題無さそうだけどな。」
「ちょっ…雅一何言ってんだよっ!」
もっ、問題ないなんて、…無いけどさ…若いからだろ、そんなの!
「そうだな、ひとつはもうクリアしてる。」
「ゆ…柚稀まで…そんな、」
微笑いながら言わないでくれ!
「「どうなんだ。」」
ふたり同時に声をかけられて、ビクリと肩が揺れる。
うぅ と唸ってベッドに寝転がり、両手で顔を覆った。
「…こ、こんなときとか迫ってくるときだけそんな息ぴったりで…なんか、卑怯だし…っ」
「逃げるな。」
「話逸らすな。」
ベッドに座ったふたりが、片手ずつ引き剥がして握り込む。
「う…っ!」
柚稀には手にキスをされ、雅一には指を絡める…いわゆる恋人繋ぎをされて、恥ずかしかったり嬉しかったり照れてたりで顔が真っ赤になった。
どぎまぎするほど真剣な目
胸が締め付けられそうになる優しい目
に見つめられ、口を開く。
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