出来れば夢で……

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今日、私が曲がり角でぶつかった女の子はとんでもない娘だった。 こんな一般道でコスプレかってツッコミたくなる格好に、ぼやっとしたなんとなく何処か抜けたような表情の娘。 チャームポイントをあげるとしたら、アンテナのようにピンッと跳ねた毛。 俗に言うアホ毛だろう。 いや、そんな事はどうだっていい。 今取り上げるべき問題は、その女の子が。 その彼女が私の目の前で竜巻を巻き起こしている事だ。 「これは夢よね。人がこんな魔法みたいに竜巻を起こせるワケないの…………」 そううわ言のように呟いて、私は右手で頬をつねる。 痛い…………。 最近の夢は痛みも感じるのか、知らなかった。 既に現実から目を離していた私は空を見上げる。 夏も終わり気温も下がったというのに太陽だけは初夏の日差しを思わせた。 「今日はいい天気だなーー、洗濯物がよく乾きそう」 太陽の光を全身に感じながら、空を見上げて呟く。 視界に真っ赤な自販機が横切った気がするが気のせいだろう。 うん、きっとそうだ。 「さて、家に帰ろうかな」 そう言って、いつものように家への方角を見れば、いつもと変わらない平和という名の素晴らしい日常の光景が………………あるわけなかった。
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