刑法第一条

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馬鹿にした態度が気に食わなかったのか、男は物凄い形相で睨みつけている。 「そんなに死にたいのか…だったら今すぐ「"ここでは自殺行為、自ら死を選ぶ事を禁ず"って規則なかったか?」 そう言うと、男はぐっと飲み込み黙って部屋を出て行った。 「お前、命知らずだな」 俺に話しかけて来たのは三十八番の男。 年はたぶん、18歳くらいだと思う。 「命知らずもなにも、事実を言ったまでだ」 俺が表情を変えずに答えると、周りの連中が少しざわつき始めた。  
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