~プロローグ~

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「今日…」 今日は年に一度の花火だ 「……………」 実はすごく行きたい カイはこういうところが女らしい (でも…店があるからなあ…) カイは肩を落としてから言った 「僕はここにいますから気にしないでください」 苦笑いされて言われると気にかかってしまう の…だが、朝酒でべろんべろんになった男達は全く聞いていない 夕方、泥酔した夫を引き取りに何人かの女性が来た カイは駄目だと思いつつ、母に言った 「母さん…その…」 「行っておいで」 カイは驚いた顔をした 「今日くらいゆっくりしてきなさい」 「…ありがとう…行ってきます!母さん」 母は微笑みながら見送っていった カイは外出用の白い振り袖に着替え、外に出た 「この時間じゃあ…一番近い所は埋まってるだろうなあ」 ぼやきながらカイは町のはずれにある丘へ向かった 丘には誰も座ってなく、カイ1人だった 「特等席だなあ…」 1人でぼやいた そんなとき、大きな音が正面からした 花火だ 「今年も綺麗だなぁ…」 カイは1人でいるのにぼやいた 赤や緑と、色とりどりの火の花が咲く カイはしばらく聞いたとき、大きな打ち上げる音を聞いたこんどはどのくらい大きな花火だろうか。カイは心の中で呟いた しかし、いつまでたっても大きな花火が上がることはなかった。それに、この風を裂く音はなんなのだろうか カイは、漆黒の空に飛ぶ点を見つけた その点は、真っ直ぐ町に落ち、火の玉を作った 火の玉は町を飲み込み、風を作る 風に煽られ、カイは後ろに倒れ、強く後頭部を打ちつけた カイの意識はそこから途絶えた
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