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残された三人、しかし三人ともあまり緊張した様子は無い、しかもリーダー格の少女は笑みを浮かべ男を見詰めている。
「二年振りだな涼子、それに、ひかるちゃんに真奈美ちゃん」
「省吾兄様!」
名前を呼ばれ、ブロンドの少女は跳ねる様に男へと近寄る、勿論他の二人もそこまでは無いものの、久々の再開に笑みを浮かべる。
「それにしてもいきなりどうしたんですの、導節會にいる兄様が、こちらにお戻りになるなんて?」
勿論、今まで校長の前で任務に従事してもらう話しをしていたのだ、そう言った返しもどうかと思うが、今の涼子は、兄の不意の帰還に心が高揚しそれどころではなかった。
「まぁ落ち着け涼子、今回はあくまでも任務だ…」
「任務ですの…?」
解ってはいても少しばかりショックを隠せない涼子。
「でも、滞在の間は家に戻られますよね?」
「いや、それも無理だ…本部から副将がこられる…」
済まなさそうに謝罪する省吾、が、これは任務なのだ涼子とてこれ以上の我が儘は言えない。
「仕方ありませんわね…」
何とか自身を納得させ、気持ちを落ち着けると、涼子は真奈美とひかるを呼び寄せ省吾の対面にあるソファーに腰掛ける。
「で、任務はなんですの?」
「あぁ…これだ…」
差し出した一枚の命令書、三人に戦慄が走る。
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