第一章 ランドリート島

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―始まりの地―  湿気た空気。  すえた臭い。  窓も床もない、剥き出しの土の上に、俺は独りで立ち尽くしていた。  足下ではここの先住者たる鼠たちがキーキーと走り回り、不快なことこの上ない。 (……なんでこんな事に)  小うるさい牢名主たちを拳で黙らせると、薄暗い営倉の中で、俺は今日何度目かになるため息を吐いた。  
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