149人が本棚に入れています
本棚に追加
~回想~
デルザー軍団との戦いの最中‥‥シゲルとユリコは山中にて休息をとっていた
「………………。」
シゲルは黙って焚き火に薪を入れる
「…………コーヒーが入ったわよ。」
ユリコはマグカップにコーヒーを入れ、シゲルにそれを渡した‥‥この時、既に猛毒に侵されていたユリコ……それをシゲルには気付かれないように我慢していた
「へぇ~、珍しい事があるもんだなぁ…ユリコとは長い付き合いだけど‥‥コーヒーなんか入れてもらったのは初めてだぜ!」
そう言うとシゲルはコーヒーの入ったマグカップを手にし、スプーンでかき混ぜ始めた…。
「………ねぇシゲル…。」
「ん?何だいユリコ」
「いつか悪い怪人がいなくなって…世の中が平和になったら‥‥‥‥。」
そう言うとユリコは笑顔になる
「平和になったら?」
ユリコは頷きながら
「2人でどこか遠い、美しい所へ行きたいわ…」
「いいねぇ、俺もそういう所行きたいよ」
そう言うとシゲルは立ち上がり、コーヒーを飲む
「‥‥本当に?本当に約束してくれるの?」
「ああ、約束だ!」
「…………………。」
シゲルには気付かれないように、ユリコは下を向きながら涙を流していた……
~回想終了~
最初のコメントを投稿しよう!