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「…後悔はねぇんだな?」
神無月が確認するように言うが―愚問だ。
俺の中で最優先は星。
初めてこの腕に与えられた温もりを感じた時から、それは変わらない。
「…どうなっても知らねぇぞ」
「俺は良いが―分かるな?」
そう、俺は良い。
星さえ助かれば問題はない。
「…はいよ。無理はするな?これは『睦月』に言っているんじゃない。『睦月咲春』に言ってるんだ」
笑みが溢れる。
年上に生意気な口を叩く俺にこんなこと言うのは神無月位だ。
他は、俺の存在に恐怖し、『人外』という視線を送る。
遂には存在を認めない。
俺はそれが恐かった。
だが、星やコイツは全く気にすることなく、俺へ視線を投げかける。
これを嬉しいと思っては駄目なのか?
「じゃあ、こちらも動きますか…」
神無月がノートパソコンを開くのを見たが最後。
俺はその場を後にした。
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