―王子様―

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―星視点 「動かないでね。お前に罪はないから、傷付けるつもりはない」 ニヤリと笑うその表情には恐怖を覚える。 ―恐い―…。 必死に泣くまいと涙を堪えて流さない様にしていると、ガラッと音が。 「…さて、覚悟は出来ているんだろうな」 この声………春兄っ! 「へぇ…早速お出ましか………睦月咲春」 「何のつもりだ…四央十耶(シオウ トウヤ)」 し…四央十耶っていうんだ…。 「流石、自分が潰した家の名前位は知ってるんだ」 「大方復讐目的って所か。だが、星を巻き込むことだけは許さない」 「…復讐?違うね。俺の目的はそんなものじゃない。アンタさえ傷付けば良い」 「…どいつもこいつも同じ台詞を言わせる…」 春兄が、怒ってる。 「俺は良い…だが、星は駄目なんだ!」 「そういうことだ」 聞き慣れた声。 開けたままの扉から幾さんが現れる。 どこか余裕そうに微笑んで、片手にはノートパソコンを持っている。
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