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「ったく、月神一族を敵に回して…命知らずだな」
溜め息ついてるけど、少し楽しそう。
「大体、四央が勝手に情報流してたりしてたから潰したのに、何でこっちが恨まれるんだよ。そりゃ、単なる逆恨みだぜ」
幾さんに言葉で悔しそうに四央君は唇を噛む。
「……じん………ないか…」
「…え…?」
「親父が勝手にやったことで、家族皆が苦しむのは…理不尽じゃ…ないか…っ」
涙を流さないように堪えている四央君。
彼も…辛かったんだ…。
「………だからどうした」
………え?
「だからと言って、星を巻き込む理由になるのか?お前こそ、自分一人のことで星を苦しめた。これは理不尽にはならないのか?」
春兄が怒ってる。
…怖い…っ。
「ストーップ。睦月、見ろ」
幾さんが春兄を止め、私の方を向く。
それに釣られて春兄も私の方を向いた。
「―…っ!」
凄く驚いた顔。
「星っ!」
痛切な叫び。
初めて涙を流している自分に気付く。
「神無月」
「分かってる。後は任せて、先帰んな」
「…助かる」
春兄は私を抱えてその場を離れた。
とても優しく私を抱き締めて、温かかった。
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